『組織の目的は、凡人をして非凡をなさしめることにある。』

P.F.ドラッカー,(引用元:マネジメント【中】第36章
代表取締役 瀧野 雅一

 組織は天才に頼ることはできません。なぜなら、天才は滅多にいないからです。したがって、天才を当てにすることはできません。凡人から強みを引き出して、それを他の者の助けとすることができるかどうかが組織の良否を決めます。同時に、組織の役割は人の弱みを無意味にすることです。人の弱みはなくすことはできませんが、チームを組織することで、弱みを意味のないことにすることはできるのです。

 そのためには、一人ひとりの強みを存分に発揮させなければなりません。焦点は強みに合わせます。不得意なことではなく、得意なことに合わせなければならないのです。

 組織の精神とは、仲良くやっていくことではありません。組織における判定の基準は、成果であって仲の良さではありません。仕事上の成果に基づかない人間関係は、貧弱な人間関係です。

 成果中心の精神とは、投入したもの以上のものを生み出すことです。それはエネルギーを創造することで、そのようなことは機械では起こりません。エネルギーは保存できても、創造はできません。投入した以上のものを得られるのは、精神の世界においてだけです。精神とは説教をすることではありません。行動の原理となるものです。訓戒、説教、よき意図ではなく、実践なのです。

①組織の焦点は成果に合わせる

 組織の精神にとって必要なことは、個人としても組織としても、成果の基準を高く持つことです。成果をあげることを習慣化することです。成果とは常に成功することではなく、それは打率のことを指します。そこには、間違いや失敗を許す余地がなければなりません。あってならないものは、自己満足と低い基準です。

②組織の焦点は問題ではなく機会に合わせる
③人事は組織の信条と価値観に沿って行う

 配置、昇給、昇進、降級、解雇などの意思決定こそ、真の管理手段となります。人事に関わる決定は『真摯さ』こそ絶対条件です。『真摯さ』とは、すでに身につけておかなければならない資質のことです。

○真摯さ

 真摯さを定義することは難しいですが、マネジメントの地位にあることを不適とすべき真摯さの欠如を明らかにすることは、さほど難しくありません。真摯さはごまかせません。ともに働く者、特に部下には、上司が真摯であるかどうかは数週でわかります。無能、無知、頼りなさ、態度の悪さには寛大になれますが、真摯さの欠如は許すことができません。

①何が正しいかよりも、誰が正しいかを関心をもつ者は、無難な道を取るようになります。犯した間違いを正すよりも、隠そうとします。
②頭のよさを重視する者は人として未熟です。しかもそのような未熟さは通常治りません。
③できる部下に脅威を感じる者は、人として弱いものです。

 いかに知識があり、上手に仕事をこなしても、真摯さに欠けるものは組織を破壊します。組織にとって最も重要な人を破壊します。そして組織の精神を損なってしまうのです。