『利益は個々の企業にとっても、社会にとっても必要である。しかしそれは企業活動にとって、目的ではなく条件である。』

P.F.ドラッカー,マネジメント<上>
代表取締役 瀧野 雅一

 私はドラッカーの書籍と出合う前、利益を上げるために日々仕事に励んでいました。『利益は条件』と聞いた時、一瞬、頭の中が真っ白になりました。それまで、何の疑いもなく利益はどうすると出せるのか、どうやって増やしていくかを毎日毎日、真剣に考えていたからです。

 そもそも株式会社は営利法人、すなわち営利を目的としている法人と思っていたからです。『組織(会社)は社会の道具である』とも言っています。道具には使い道、すなわち使用する目的があります。使用目的のない道具は使い物になりません。組織(会社)の目的は3つあります。

マネジメントの体系図
  • 社会において特定の役割(ミッション)を果たすこと
  • 働いている人を成長させること
  • 社会にある新しい課題を解決すること

 ドラッカーの言葉に触れた時、私も会社を創業した時のことを思い出しました。

 会社は皆、目的があって設立されます。つまり会社はミッションを果たすために維持、存続するための最低条件が利益ということになります。

 最低条件といったのは、会社は利益(お金)が無くなったら、どんなにいい商品やサービスを提供していたとしても会社の経営は続けられないからです。したがって、会社にとっての利益とは目的ではなく、ミッションを果たすための条件ということが分かります。

 それ以来、私たちもお客様に「売れるモノ」を考えるより、お客様が「喜ぶコト」を考えるようになりました。それでは利益とはなんでしょう?次回以降、お話をしたいと思います。

 そしてもう一つ、『マネジメント』という言葉も誤解していました。私はそれまでマネジメントは、論理的に人を管理するというイメージを持っていました。

 『ほかの人をマネジメントできるなどということは、証明されていない。しかし、自らをマネジメントすることは常に可能である。そもそも自らをマネジメントできない者が、部下や同僚をマネジメントできるはずがない。マネジメントとは、模範となることによって行うものである。』

(P.F.ドラッカー,経営者の条件)

 つまり、マネジメントの基本はセルフマネジメントによるものということです。次回は、マネジメントの種類について、お話したいと思います。