『組織の良否は、人の強みを引き出して能力以上の力を発揮させ、並の人に優れた仕事ができるようにすることができるかにかかっている。同時に人の弱みを意味のないものにすることができるかにかかっている。』

P.F.ドラッカー,現代の経営【上】 13章
代表取締役 瀧野 雅一

 会社組織とは、特定の役割を果たす道具です。道具には必ず目的があります。目的が果たせない道具は、ただの『ガラクタ』ということになります。ハサミは紙を切る道具です。紙を切れないハサミは、使い物にならないということです。

 それでは会社の目的はなんでしょう。第一の目的は社会において、特有の役割、ミッションを果たすことです。どんな会社でも、何でもできるわけではありません。それぞれの会社の商品やサービスを顧客に提供し、社会に貢献するのです。第二に、所属する従業員に成長や自己実現の機会を提供することです。この目的のない会社は、単なる金儲けの集団となってしまいます。そして第三に社会の課題を解決することです。

 それでは、会社組織の良否はどう判断するとよいでしょうか。一言でいうと、『凡人に非凡な成果をあげさせる』会社組織が良い組織といえるでしょう。天才的な社員がいるから良い会社組織というわけではありません。天才に頼るようではいけないのです。なぜなら、天才は希少で、雇えるかどうか分からないからです。

 したがって、会社組織の良否は人の強み、すなわち、出来ないことではなく、出来ることに焦点を合わせることで能力以上の力を発揮させ、並みの人に優れた仕事ができるように仕事を設計することなのです。作業と手順を見直すことで、同じ仕事を人によってばらつきのない状態にすることです。人の弱みを意味のないものにするということは数人のチームを組んだり、機械化することで可能になります。(図1参照)

 良い会社組織とは、仲良くやっていくことではないのです。大切なことは仲の良さではなく、仕事ぶりの良さなのです。優れた会社組織では、昨日の優れた仕事を今日の当然の仕事に変えていくのです。『仕事を生産的にし、人に成果をあげさせる』ことがマネジメントの目的です。普通の人でも優れた成果をあげられるように、仕事を設計しましょう。