ほかの人間をマネジメントできるなどということは証明されていない。しかし、自らをマネジメントすることはつねに可能である。そもそも自らをマネジメントできない者が、部下や同僚をマネジメントできるはずがない。マネジメントとは、模範となることによって行うものである。自らの仕事で業績をあげられない者は、悪しき手本となるだけである。

(P.F.ドラッカー,経営者の条件・まえがき)
代表取締役 瀧野 雅一

 マネジメントの本質は自らをマネジメントすること、つまりセルフマネジメントで成果をあげることであり、仕事で業績をあげるということです。
 仕事で成果をあげるためには理解力が有ることや知識が豊富なこと、一生懸命に働くことだけでは十分ではありません。閉店してしまうお店は努力が足りなかったのでしょうか?
 私の知っている範囲ですが、閉店してしまったお店の多くの店主は、懸命に働き、時には寝る時間を削って努力したり工夫したりしています。決して努力や豊富な知識を否定するものではありませんが成果をあげる人とあげない人を個性や才能、努力の面で区別をつけることはできません。

成果をあげる人とあげない人の差は?

 成果をあげる人に共通するものは、『成果をあげる能力』を身につけているのです。逆に言うと、いかに実力があっても、いかに勤勉であろうと『成果をあげる能力』が欠けていれば成果をあげることはできません。
 それでは『成果をあげる能力』をいかにして修得していくかということです。ドラッカーは成果をあげることは一つの習慣であるとしています。そしてその習慣は反復して行うことで誰にでも簡単に身につけられるとしています。しかし、身につけるには努力を要し、習慣になるまで何度も反復しなければなりません。

習慣化のプロセス
意識もしていないので、なにも出来ない状態
プロセス
1
足りないものは何か?と自問自答する

何かができるようになった訳ではないが、意識して情報を収集する。ここで大切なのは気づき。

プロセス
2
情報を知識に変える

知識は本の中にはない。本の中にあるのは情報。知識とは情報を仕事の成果に結びつける能力。

プロセス
3
習慣化

トレーニングによる習得。習慣になるまで反復する。「6,6,36」が何も考えずに条件反射で言えるようなイメージ。

プロセス
4
◎成果をあげる5つの習慣
1.時間を管理する

 何に自分の時間が取られているかを知ること。そして残されたわずかな時間を体系的に管理すること。

2.貢献を重視する

 組織(会社)の外の世界に対する貢献(=社会貢献)に焦点を合わせること。

3.人の強みを生かす

 人の強み(自らの強み、上司・同僚・部下の強み)を基盤にすること(強み(=できること)でしか社会貢献できない)。

4.最も重要なことに集中する

 際立った成果をあげる領域に資源を集中こと。優先順位、劣後順位(やらないこと)を決め、それを守るよう自らを強制すること。

5.成果のあがる意思決定をする

 合意ではなく、異なる見解(複数の意見)に基づいて戦略的に決定すること。

次回は『時間を管理する』について詳しくお話をします。