『ベンチャーが成功するには、四つの原則がある。』
P.F.ドラッカー,(引用元:チェンジリーダーの条件Part5 第3章)

第三の原則 トップマネジメント・チームを構築する
市場において、しかるべき地位を確立し、しかるべき資金手当を行い、しかるべき資本構造とコントロールシステムを確立したにもかかわらず、数年後、深刻な危機に陥ることがあります。見通しが明るいにもかかわらず、事業が成長しないことが起こります。
原因はトップマネジメントの欠落です。企業の成長が、少人数でマネジメントできる限界を超えてしまった結果です。トップマネジメントのチームが必要です。実際はその時に適切なチームがなければ手遅れです。生き延びることで精一杯となってしまいます。対策は必要となる前に、前もって構築しておかなければならないのです。
チームは一夜にしてはなりません。機能するようになるには時間がかかります。チームは相互信頼と相互理解でできます。そのためには数年はかかります。
しかし、成長しつつある小さなベンチャーが、トップマネジメントのチームを持つ余裕はありません。ごくわずかの数の人間で、出てくる問題を処理していかなければなりません。
対策は、創業者自身がいつまでも自らマネジメントするのではなく、トップマネジメントのチームに引き継がせる決意をしておかなければならないのです。
❶主な人たちと相談する
創業者自身が、事業にとって特に重要な活動について相談することです。
- 存続と成功がかかっている活動は何か?
- 何が重要な活動か?
これらの問いについての異論はあまりないと思います。もし、意見の違いや対立があったならば、徹底的に話し合いをしなければなりません。
❷強みを生かした人事
創業者といえども、人事が得意でなければ、口を挟まないように自制しなければなりません。他人に任せたほうが良いこともあります。重要な仕事は実績のあるものが担当すべきなのです。
第四の法則 創業者自身が自らの役割、責任について決断する
ベンチャーが発展し、成長するに伴い、創業者たる起業家の役割は変わらざるを得ません。
事業の変化に対応できずに挫折しまった起業家は少なくありません。何かをしなければならないかを分かってはいても、自らの役割をいかに変えたらよいかを知っている人はあまりいません。創業者は「何をしたいか?」ではなく、「今後、事業にとって重要なことは何か?」との問いが必要です。創業者とそのベンチャーの双方にとって満足のいく答えをもたら
すとは限りません。『時には創業者が手を引くこともある』と、ドラッカーは言っています。