『トップマネジメントは実在する存在である。だが、その本質は権力か。ボスの別名か。特有の仕事はあるのか。あるのであれば、それは何か。いかなるものか。』
P.F.ドラッカー,(引用元:マネジメント【下】 第49章)

・ 組織としてのミッションを考える役割
・基準を設定する役割
・ 組織をつくりあげ、それを維持する役割
・渉外の役割
※前回からの続きです。
・公的行事や夕食会への出席など、儀礼的な役割
大企業よりむしろ、地域においても目立つ存在になっている中企業・小企業のトップマネジメントとして逃れられない仕事です。大企業の社長であれば、代わってもらえる副社長が複数います。しかし小規模の企業場合、トップ自らが参加しなければなりません。
・重大な危機に際しては自ら出動するという役割
著しく悪化した状況に取り組む役割があります。有事には、最も経験があり、最も経験豊かな者が、腕をまくって出動しなければなりません。法的な責任もあります。放棄することのできない仕事です。
これでもまだ、トップマネジメントが行う仕事としては、一部に過ぎません。問題はトップマネジメントとは何かではありません。「組織の成功と存続にとって決定的に重要な意味を持ち、かつトップマネジメントだけが行いうる仕事は何か」、「事業全体を見ることができ、今日と明日のニーズをバランスさせることができ、最終的な意思決定をなしうる者だけが行うことのできるものは何か」ということです。
もし、その仕事をトップ以外の誰かがなしうるとしたら、それはもはやトップマネジメントの仕事ではありません。トップマネジメントの仕事は「思考する人間」、「行動する人間」、「人間的な人間」、「代表
する人間」の、少なくとも4種類の人間であることが求められます。
しかし、これら4つの気質を併せ持つ者は、それほど多くはいません。トップマネジメントの仕事が的確に行われないのは、主としてこのことが理解されていないからです。
また、製造・販売・経理・エンジニアリング・品質管理には、日常の仕事があります。日常の仕事があることで、トップマネジメントの仕事がなおざりにされていきます。
トップマネジメントの役割が明確に存在していながら、仕事としては常時あるわけではないという現実と、それが多様な能力と資質を要求しているという現実とが、小規模の企業でない限りトップマネジメントの役割を複数の人に割り当てること、つまり、一人の仕事ではなく、チームにすることを必須にします。さもなければ、重要な仕事が放置されたままになってしまうのです。
