『組織の不健全さの症状の一つが、マネジメントの階層の増大である。あるいは、目標の低さ、無能の放置、権限の集中、活動分析の欠如である。』

P.F.ドラッカー,現代の経営【下】第17章
代表取締役 瀧野 雅一

 成果を上げるためには成果の上がる組織構造を構築する必要があります。それにはいくつかの要件があります。

◯満足させるべき要件

①管理的な能力ではなく、成果によって評価される者の人数を多くする
②利益のあがる製品ラインの力によって、利益の上がらない製品や事業を延命させることなどがないようにする
③マネジメントの階層を最小限にする(マネジメントの階層が一つ増えるごとに、方向性と理解が難しくなる。目標を捻じ曲げ、関心の方向を間違えさせることがある。命令系統の中継点が一つ増えるごとに、余分な摩擦が生じる。階層が増えるごとに昇進に時間がかかってしまう)

◯連邦型組織と機能別組織

 組織の構造は、可能な限り連邦型組織によって活動をまとめます。連邦型組織を適用できない場合に限って、機能別の組織を使うべきとされています。連邦型の組織とは、個々の事業活動がそれぞれ自らの市場と製品をもつ、独立採算的な事業ごとに組織するものです。

◯連邦型組織の必要条件

 個々の組織は企業全体の利益に貢献するのではなく、企業全体に対し利益をもたらすように貢献しなければなりません。そのために、個々の組織は自らの市場をもたなければなりません。

◯連邦型組織

①ビジョンと活動を成果に集中させる
②利益のあがる事業の陰で、利益のあがらない事業を維持する危険が小さくなる
③目標管理が成果をあげられるようになる
④経営管理者が育ちやすい

◯機能別組織の弱み

①事業全体の成果に焦点を合わせにくくなる
②目標が設定しにくく、成果が測定しにくい
③ビジョン、スキル、忠誠心が偏狭になることがある
④マネジメントの階層が増える傾向がある
⑤個々の仕事の意味が希薄になりがち

◯連邦型組織の適用上の原則

①個々の組織と本部の双方が強力であること
②個々の組織はマネジメントを維持できるだけの規模が必要
③個々の組織が成長の可能性を持っていること
④個々の組織の経営管理者に十分な挑戦の機会を与えること。

 組織構造を間違ってしまうと、マネジメントが優秀でも業績は良くなりません。可能な限り連邦型組織を導入し、分権化することによって業績は改善されます。なぜならば、優秀な人たちが効果的な仕事ができるようになり、普通の人を卓越した人へと変えるからです。

 優れた組織の構造といえども、万能ではありません。組織の構造だけが重要な問題であるわけではありません。しかし、正しい組織の構造はマネジメントを行ううえで、不可欠の土台となります。この土台なくしては、どんな仕事ぶりも成果は期待できなくなるのです。