『人が成果をあげるか否かは、マネジメントの仕方にかかっている。』

P.F.ドラッカー,(引用元:マネジメント【中】第29章
代表取締役 瀧野 雅一

 マネジメントの人間をいかにマネジメントするかによって、組織の目的が達成されるか否かが決まります。なぜならば、働く人の姿勢は、マネジメントの姿勢、構造、能力によって規定されるからです。

①マネジメントの人間を悩ませている上司との関係
②自らへの要求への疑問
③理解してもらうこと
④提案を受け入れてもらうこと
⑤活動を知ってもらうこと
⑥他の部局やスタッフ部門との関係

 これらは全て、マネジメントに関わる問題です。そして、マネジメントとは企業において最も高価な資源です。マネジメント・チームを構築するには何年もかかるし、運用を誤れば、急速に価値を減少させます。

○マネジメントの仕事

 マネジメントをマネジメント可能にさせるものは、全体の成果への責任であって、他の者の仕事への責任ではありません。それは自らの仕事への責任です。マネジメントにはマネジメント特有の仕事があります。しかもマネジメントの人間をマネジメントにするためには、独特の方法があります。それは、自己目標管理すなわち目標と自己規律によるマネジメントです。

○成長の段階

 オーナー経営者がワンマンで経営する企業から、マネジメントを擁する企業への変身は、物質における液体から固体への変化に匹敵するほどの変化と言われております。それはある構造から次の構造への変化です。しかしそれは、一つの組織の中で起こしうる変化です。ただし、コンセプト、原理、ビジョンを変えないかぎり起こしようがない変化です。

 この違いは硬い皮膚で構造を支える昆虫と、骨格で支える脊柱動物の違いに例えることができます。硬い皮膚で支えられる生物は、ある一定の複雑さ以上には成長できません。陸上生物が、それ以上成長するには骨格が必要です。とはいえ、皮膚が骨格に進化することはありません。両者は発生源の異なる異質な器官です。

 企業もある一定の規模と複雑さに達すると、マネジメントを必要とします。トップ・マネジメントという骨格が、オーナー兼起業家という皮膚と交代します。それは皮膚が進化したものではなく、完全な交代です。多様な仕事が、協力して、意思を疎通させつつ同時に遂行される必要が出てきたとき、組織はマネジメントを必要とします。マネジメントを欠くとき、組織は管理不能となり、計画は実行に移されなくなります。最悪の場合、計画の各部が、それぞれ勝手なときに、勝手な速度で、勝手な目的と目標のもとに遂行されてしまいます。

 マネジメントは、行わざるをえません。しかし、それが良く行われるか悪く行われるかが、組織が生き残り繁栄するか、それとも衰退し、やがて消滅するかを決めるのです。