『イノベーションの活動で目指すべきは、大きな違いをもたらすことである。何が大きな違いかを決めるものは、技術ではない。科学でもない。コストの大きさや仕事の大変さでもない。大きな違いとは、世の中における違いである。』

P.F.ドラッカー,(引用元:マネジメント【下】第61章)
代表取締役 瀧野 雅一

 現代というイノベーションの時代では、イノベーションのできない組織はたとえ現時点で確立された地位を誇っていても、やがて衰退していくことが運命づけられています。そのような時代に、イノベーションをいかにマネジメントするかを知らないマネジメントは、不適格なマネジメントです。

○イノベーションのマネジメント
・イノベーションの意味を知っている

 イノベーションとは、科学や技術そのものではなく価値です。組織の中ではなく、組織の外にもたらす変化やその影響の大きさです。したがって、企業におけるイノベーションは、常に市場に焦点を合わせなければなりません。市場ではなく製品に焦点を合わせたイノベーションは、目新しく、普通とは違う技術は産むかもしれませんが、成果はそれほど期待できません。

例)優れたイノベーションを行う医薬品メーカーは、医療と患者を変える新薬を目指すイノベーションの定義を研究ではなく医療の視点から行う

・イノベーションの力学を理解している

 イノベーションを行う組織は、イノベーションの力学というものの存在に気づいています。それが必然だとは考えません。いかなる種類のイノベーションが製品、プロセス、事業、市場となるかを知る方法を知っています。成果をもたらしてくれる分野を体系的に探す方法を理解しています。

❶プロセス、技術、産業に関わる経済的なギャップを探ること
❷ 需要の増大にも関わらず収益が伸びないときには、プロセス、製品、流通チャネル、顧客のニーズを変えてみる
❸ すでに発生していながら、その経済的なインパクトが現れていない変化を機会ととらえる(人口構造の変化など)
❹認識の変化
❺期待の変化
❻マネジメントできないイノベーションもある( 存在していないものを生み出すこと〈発明など〉は、体系的かつ意図的な活動として組織することは不可能)

・イノベーションの戦略を持っている

 イノベーションのための活動で目指すべきは、大きな違いをもたらすことです。『われわれの事業は何か』(現在の姿)、『われわれの事業は何であるべきか』( 理想の姿)との問いから始まります。既存の事業の目標はすでに存在するものの最適化です(よりよく、より多く、より早く)。イノベーションの戦略は、既存のものは全て陳腐化すると仮定します(より新しく、より異なるもの)。

❶古いもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に廃棄すること
❷ 目標を高く設定すること


※次回に続きます
❹管理的な目標や基準とは別に、イノベーションのための目標と基準を持っている
❺マネジメント、特にトップマネジメントの果たす役割と姿勢が違う
❻イノベーションのための活動を、日常のマネジメントのための活動から独立させて組織している